午前4時、ガイドが私を起こしに来ました。
テントから出ると外はまだ真っ暗で、私はガイドに連れられるままキャンプ場を離れました。
ガイドはキャンプ場の近くで待機していたラクダのもとへと私を案内しました。
2人でラクダの隣に寝そべり、星空を眺めました。
星空を鑑賞した後はキャンプ場に戻り、再び眠りにつきました。
午前7時、借りていた携帯のアラームで目を覚ましました。
起こしに来たガイドと共にキャンプ場から出ると、ガイドはテントの隣で咲いていたアデニウムの花を摘み私に渡してくれました。
私は受け取ったアデニウムの花を大切にポケットにしまいました。
ガイドのサポートでラクダに乗り、朝日を浴びながら砂漠を散歩します。
そこでガイドは私の手が冷えていることに気が付き、草が生えている場所を探して焚火を起こしてくれました。
焚火で手を温めた後は、砂丘から朝日を眺め、ガイドに写真を撮ってもらいました。
最後はラクダに乗ってリアドマムーシュまで帰ります。
帰り道で私は何度も後ろを振り返りながら、1人で砂漠に来たことを実感していました。
前後左右見渡す限りの砂漠はとても贅沢な光景でした。
リアドマムーシュの近くにはラクダの待機所があり、そこでは複数のラクダが待機していました。
ガイドはラクダから私を降ろすと、待機していたラクダも含めて餌をやりました。
ラクダの待機所からリアドマムーシュまでは少し歩きます。
そこでガイドは少しそっけない態度になっていて、何故なら私はまだ彼にチップを渡していませんでした。
もちろん旅の最後にチップを渡すつもりではあったのですが、私は残りわずかなモロッコディルハムがなくなってしまうのではないかと不安に襲われていました。
リアドマムーシュに着いた後は、スタッフの勧めでシャワーを浴び、キャメルトレッキングとセットになっている朝食を頂きました。
朝食のメニューはホブズ、ムサンメン、オムレツ、はちみつ、ジャム、メロンシロップ、チーズ、バター、オレンジジュース、ミントティー、コーヒーでした。
朝食を終えると、プールサイドにいた女性スタッフに洗濯をお願いしました。
ラクダに乗ると衣類に独特な臭いが移ってしまうため、洗濯サービスがあるのはとても助かりました。
その後は、スタッフにモロッコディルハムの手持ちが残りわずかで困っていることを相談しました。
スタッフはオーナーに電話を掛けてくれて、私は車で銀行まで連れて行ってもらえることになりました。
スタッフの運転で銀行を目指します。
途中、道を歩いていた子供から「Jap!」と声を掛けられたため、スタッフは車の窓を閉め切りました。
1つ目の銀行では、ATMでお金を下せず、窓口も混んでいたため諦めました。
2つ目の銀行では、窓口で日本円を取り扱っておらず諦めました。
3つ目の銀行で、ようやく少しの日本円が手に入りモロッコディルハムと両替しました。
リアドマムーシュに戻ると、スタッフから今夜泊まる部屋のグレードを尋ねられました。
私は200DHの個室へ移動することになりました。
ハシラビードからマラケシュまでの長距離バスは午前7時30分発のものしかありません。
私はそれまでの時間をどのように過ごすか悩みました。
リアドマムーシュではキャメルトレッキング以外にも、バギーや四駆に乗って砂丘を1周するツアーに参加することもできます。
本当は砂丘1周ツアーに参加したかったのですが、モロッコディルハムを節約するため、ツアーの参加は諦めることにしました。
私はスタッフに、受付に置いてあるパソコンを使わせてもらえないか尋ねました。
日本に帰国するためにはコロナの陰性証明書が必要なのですが、私は病院の情報をまだ調べていなかったからです。
スタッフがパソコンの使用許可を出してくれたため、コロナの陰性証明書を発行している病院の情報と、在モロッコ日本国大使館の電話番号を手帳にメモしました。
パソコンで調べ物をした後は、屋上テラスに上がり、日向ぼっこをして暇をつぶしました。
屋上テラスから降りると、頼んでいた洗濯物が返ってきました。
衣類に移った臭いは綺麗に消えており、衣類はふかふかな状態になっていました。
午後6時30分、オーナーがリアドマムーシュにやって来ました。
私はオーナーに、紛失したiPhoneが見つかった連絡が警察から来ていないか確認しました。
残念ながら警察から連絡は来ていませんでした。
オーナーは、明日の朝マラケシュへ向かうバスのチケットを私のために購入してくれていました。
私はオーナーからバスチケットを受け取った後、食堂にある暖炉の焚火を眺めながら1人で夕食を頂きました。
夕食はキーマカレー、ケフタタジン、デザートにリンゴとミカンが出ました。
食事を済ませると、他の客が食堂に入ってきたので私は個室に移動しました。
個室は電球が切れていましたが、私は面倒なので我慢するつもりでいました。
しかし確認のためにスタッフが個室まで来てくれて、その時に電球を交換してもらえました。
私は屋上テラスで星空を眺めようか迷いましたが、他の客がいたため、諦めてベッドで眠りにつきました。